私が10年くらい患者様をみてきて、1〜2回くらいは採卵できていたけど、「その後採卵できなくなってきた」、や「採卵できても受精卵の成長が途中で止まって凍結できる数が少なくなってきた」といったお話、お悩みをお伺いいたします。
採卵しても卵が育ちにくい。
受精しても胚盤胞まで進まない。
移植しても着床しない。
そのたびに、「やっぱり年齢のせいなのかな」と不安になる方は少なくありません。
しかし、妊活で大切なのは年齢だけを見ることではありません。
当院では、卵子そのものを責めるのではなく、卵子が育つ身体の環境を見ていきます。
卵子の質とは何を見るのか
卵子の質という言葉は、とても曖昧です。
見た目のグレードだけでは判断できません。
年齢だけでも決まりません。
AMHだけでも判断できません。
大切なのは、卵子が育つまでの身体の状態です。
卵子は卵巣の中で時間をかけて成長します。
その過程で、血流、栄養、ホルモン、自律神経、睡眠、ストレス状態などの影響を受けます。
つまり、卵子の質を考える時は、卵巣だけを見るのではなく、全身の状態を見る必要があります。
35歳以上の妊活で大切な視点
35歳を過ぎると、卵子の数や質が気になる方が増えます。
これは自然なことです。
ただし、「年齢が高いから無理」と決めつける必要はありません。
同じ年齢でも、卵胞が育ちやすい方もいれば、育ちにくい方もいます。
同じ治療を受けても、結果が出やすい方と出にくい方がいます。
その違いの一つが、卵子が育つ環境です。
卵巣の血流を整える
卵巣には、酸素や栄養を届ける血流が必要です。
冷え、運動不足、強いストレス、長時間の座り姿勢が続くと、骨盤内の巡りが落ちやすくなります。
巡りが落ちると、卵胞が育つために必要な材料が届きにくくなります。
妊活中は、下腹部、腰、足首を冷やさないことが大切です。
湯船に入る。
軽く歩く。
骨盤まわりを固めすぎない。
こうした基本が、卵巣の環境づくりにつながります。
ミトコンドリアと卵子の関係
卵子は、たくさんのエネルギーを必要とする細胞です。
そのエネルギーづくりに関わるのがミトコンドリアです。
ミトコンドリアは、睡眠不足、栄養不足、ストレス、血流低下などの影響を受けやすいと考えられます。
そのため、卵子の質を考える時には、ミトコンドリアが働きやすい身体づくりも大切です。
特別なことを増やすより、まずは生活の土台を整えることが優先です。
自律神経とホルモンバランス
卵巣は単独で働いているわけではありません。
脳からの指令を受けて、ホルモンの流れの中で働いています。
不安、緊張、睡眠不足、仕事の負担が続くと、自律神経が乱れやすくなります。
自律神経が乱れると、呼吸が浅くなり、血流も落ちやすくなります。
妊活中に大切なのは、頑張りすぎることではありません。
身体が安心できる時間を増やすことです。
卵子の質はすぐには変わらない
卵子は、排卵の数日前に急に作られるわけではありません。
卵胞は時間をかけて育っていきます。
そのため、採卵や移植の直前だけ整えるよりも、数ヶ月前から準備することが大切です。
当院では、できれば3ヶ月前からの体づくりをおすすめしています。
焦る気持ちは当然あります。
しかし、妊活では「今周期だけ」ではなく、「次の卵子が育つ環境」を整える視点が重要です。
まず見直したい生活習慣
卵子の質が気になる方は、まず生活の土台を確認しましょう。
睡眠は足りているか。
朝食やたんぱく質は不足していないか。
身体を冷やしていないか。
ストレスを抱え込みすぎていないか。
スマホや情報で頭が休まらなくなっていないか。
妊活は、サプリを増やせばよいというものではありません。
身体が回復できる状態を作ることが先です。
栄養で意識したいこと
卵子を育てるには、材料が必要です。
特に意識したいのは、たんぱく質、鉄、亜鉛、ビタミンD、ビタミンB群などです。
ただし、自己判断でサプリを増やしすぎる必要はありません。
まずは食事の内容を見直しましょう。
甘いものやパン、麺類が多く、たんぱく質が少ない食事が続くと、血糖値や栄養状態が乱れやすくなります。
妊活中は、卵子を育てる材料が足りているかを見ることが大切です。
睡眠は卵巣環境の基本
睡眠は、妊活における回復時間です。
眠っている間に、身体は自律神経やホルモンのリズムを整えようとします。
寝る直前までスマホを見る。
夜遅くまで考え事をする。
仕事の緊張が抜けない。
このような状態が続くと、身体は休みにくくなります。
卵子の質を考えるなら、まず睡眠の質を整えることも大切です。
鍼灸整体でできること
当院では、卵子を直接変えるとは考えていません。
大切にしているのは、卵子が育つ身体の環境を整えることです。
骨盤内の巡り。
首や背中の緊張。
自律神経の乱れ。
呼吸の浅さ。
冷えや疲労の蓄積。
これらを見ながら、妊娠に向けた体づくりを行います。
年齢ではなく、育つ環境を見る
35歳以上の妊活では、不安になる場面が多くあります。
採卵結果。
受精結果。
胚盤胞到達率。
移植後の判定。
そのたびに、心が揺れるのは自然なことです。
しかし、年齢だけで可能性を閉じる必要はありません。
大切なのは、今の身体に何が足りないのかを見ていくことです。
卵巣の血流。
栄養状態。
睡眠。
自律神経。
ミトコンドリアの働き。
これらを整えることで、妊娠に向けた身体の土台は変えていけます。
まとめ
卵子の質が気になる時ほど、卵子だけを責めないでください。
大切なのは、卵子が育つ環境です。
35歳以上の妊活では、病院の治療に加えて、身体の準備も重要になります。
採卵や移植の結果を少しでも良い方向へつなげるために、今できる体づくりを始めていきましょう。
千葉市で35歳以上の妊活、体外受精、移植前後の体づくりにお悩みの方は、美浜鍼生堂へご相談ください。