千葉市にある高齢不妊専門の鍼灸整体院、美浜鍼生堂の院長、渡邊です。
体外受精で移植を控えている方、何度か移植をしても着床しない方。
「どうしたら着床しやすくなるのだろう?」
そんなふうに考えたことはありませんか?
子宮内膜を厚くすること、血流をよくすること、身体を冷やさないこと。
どれも気になることだと思います。
けれど、日々患者さんの身体に触れている私が、まず見直していただきたいことがあります。
それは、毎日の「食べ方」です。
特に気になるのが、食べすぎてしまっている方が意外と多いということ。
実は、本人には食べすぎている自覚がない場合も少なくありません。
そこで今回は、着床に向けた身体づくりの一つとして、食べる量と噛むこと、そして胃腸や骨盤、子宮の関係についてお話ししたいと思います。
■着床を考えるなら、子宮だけを見ていても足りない
着床というと、どうしても子宮内膜の厚さやホルモンの数値に目が向きがちです。
もちろん、それらは大切な要素です。
ただ、子宮も卵巣も身体の一部です。
身体全体の栄養状態や代謝、睡眠、ホルモンの働きなど、さまざまな条件の中で機能しています。
私は施術の中で、子宮だけを特別なものとして考えるのではなく、身体全体がどのような状態にあるのかを大切にしています。
そして、その身体を毎日働かせているものの一つが「食事」です。
■食べることは、身体にとって大仕事
私たちは毎日、当たり前のように食事をしています。
でも、少し考えてみてください。
食べ物は、もともと身体の外にあったものです。
それを口から取り入れ、胃や腸で細かく分解し、必要な栄養素を吸収して、不要なものを排出する。
この一連の作業には、消化管だけでなく、膵臓や肝臓など、さまざまな臓器が関わっています。
つまり、食べるという行為は、身体にとって大切な仕事なのです。
では、必要以上に食べ続けたらどうでしょう。
胃がもたれる。
お腹が張る。
食後に身体が重くなる。
そんな経験はありませんか。
私はこうした状態を、患者さんにもわかりやすいように「内臓が疲れている」と表現することがあります。
もちろん、食べた栄養は身体を維持するために必要です。
ただ、栄養を摂ることと、必要以上に食べることは違います。
着床に向けて身体を整えたいときこそ、何を食べるかだけでなく、どのように食べているかにも目を向けてほしいのです。
■食べすぎると、胃腸だけでなく姿勢にも影響する?
ここからは、私が施術の現場で特に大切にしている身体の見方についてお話しします。
食べすぎたあと、お腹が膨らんで苦しくなった経験はありませんか。
お腹が張ると、自然と背中を丸めたり、腰を後ろに倒したりする方がいます。
実際に、腹部の膨満感や不快感は、呼吸や姿勢、身体の動かしやすさにも影響することがあります。
私が施術で気にしているのは、こうした変化です。
例えば、胃腸に負担を感じている方の中には、
・お腹が前に出ている
・骨盤が後ろに傾いている
・背中が丸くなっている
・呼吸が浅い
・お腹や腰まわりが硬くなっている
といった状態が見られることがあります。
骨盤が後ろに傾くことを「骨盤後傾」といいます。
骨盤が後傾すると、腰の自然なカーブが少なくなり、背中が丸くなる姿勢につながることがあります。
そして、こうした姿勢が続くと、お腹や骨盤まわりの筋肉の働き、呼吸の仕方にも影響してきます。
ここで、もう一つ考えていただきたいことがあります。
■胃腸の下には、子宮や卵巣がある
私たちのお腹の中には、胃や腸などの消化器があり、その下の骨盤内には子宮や卵巣があります。
それぞれ別々に存在しているように思えますが、身体の中では周囲の組織や筋肉などを通してつながっています。
胃腸の内容物が増えたり、ガスがたまったりすると、お腹の中の圧力や張り方も変わります。
また、骨盤の傾きによって、骨盤内の臓器と周囲の組織との位置関係も変化します。
私は、こうした腹部の状態や姿勢の変化を、身体全体の環境を考えるうえで重要な手がかりとして見ています。
食べすぎによって胃腸が疲れ、腹部が張り、骨盤が後傾する。
そのような状態が続いている方を見ると、子宮や卵巣の周囲も含めて、身体をもっと楽な状態に整えてあげたいと感じるのです。
ただし、食べすぎで胃腸が下垂し、子宮を直接圧迫することで着床が妨げられる、という因果関係が証明されているわけではありません。
私が大切にしているのは、子宮だけを見るのではなく、胃腸の働きや腹部の緊張、骨盤、呼吸まで含めて身体を観察することです。
■では、どうすれば食べすぎを防げるのか?
そこで、私が患者さんによくお伝えしている方法があります。
それは、とても簡単です。
「一口40回、噛んでみてください」
ということです。
右で10回。
左で10回。
もう一度、右で10回。
最後に左で10回。
合計40回です。
もちろん、左右均等に噛むことや40回という数字自体に、着床率を高める効果が証明されているわけではありません。
私が40回をおすすめするのは、普段よりも丁寧に噛むための、わかりやすい目安になるからです。
■よく噛むと、食べる量が自然と変わってくる
例えば、いつも10分で食べ終わる食事。
これを一口40回ずつ噛んで食べたら、どうなるでしょう。
おそらく、食事の時間がずいぶん長くなると思います。
そして、もう一つ変化が起こるかもしれません。
それは、いつもより少ない量でも満足できるようになることです。
私たちは食べ始めてすぐに、満腹を感じるわけではありません。
胃腸からの情報やホルモンなど、さまざまな仕組みを通して、脳は食事の量を判断しています。
ところが、早食いをすると、満足感を十分に感じる前に食べすぎてしまうことがあります。
反対に、ゆっくり噛んで食べることで、満腹感に気づきやすくなり、結果として食べる量が自然に落ち着くことがあります。
つまり、我慢して食事を減らすのではありません。
よく噛むことで、自分にとっての「ちょうどいい量」を見つけていくのです。
ただし、妊活中は十分な栄養を摂ることも大切です。満腹感だけで食事量を決めるのではなく、必要なエネルギーやタンパク質、鉄などの栄養が不足しないことも意識してください。
■噛むことは、消化の最初の仕事
もう一つ、噛むことには大切な役割があります。
食べ物を細かくすることです。
例えば、大きな食べ物の塊をそのまま飲み込むのと、十分に噛んで細かくしてから飲み込むのでは、胃に入るときの状態が違います。
よく噛むことで食べ物は細かくなり、唾液と混ざります。
唾液には消化に関わる酵素も含まれており、口の中から消化の準備が始まっています。
つまり、消化は胃に入ってから始まるのではなく、口の中から始まっているのです。
私は、この最初の仕事を丁寧に行うことが、胃腸への負担を考えるうえでも大切だと思っています。
■着床しやすい身体を考えるとき、私が大切にしていること
着床には、胚の状態や染色体、子宮内膜の受容能、ホルモンの働きなど、さまざまな要素が関わっています。
ですから、よく噛むだけで着床できる、という単純な話ではありません。
ただ、私は妊娠に向けた身体づくりでは、何かを足すことばかり考える必要はないと思っています。
サプリメントを増やす。
栄養をもっと摂る。
身体によいものを探し続ける。
もちろん、それらが必要な場合もあります。
けれど、その前に、今の身体がどのように働いているのかを見てあげることも大切ではないでしょうか。
食べすぎていないか。
胃腸に負担がかかっていないか。
食後にお腹が張っていないか。
呼吸は浅くなっていないか。
身体がいつも緊張していないか。
こうした日常の小さなことを見直すことも、妊娠に向けた身体づくりの一部だと私は考えています。
■今日の食事から、最初の一口だけ40回
いきなり毎食、一口40回噛むのは難しいと思います。
ですから、まずは最初の一口だけでも構いません。
右10回、左10回、右10回、左10回。
ゆっくり噛んでみてください。
そして、いつもと比べてどう感じるか、観察してみてほしいのです。
食べ物の味をいつもより感じるかもしれません。
少ない量でも満足するかもしれません。
食後のお腹の張りが変わってくるかもしれません。
そうした変化に気づくことが、自分の身体を知る第一歩になります。
■最後に
着床しやすい身体をつくりたい。
そう思うと、つい特別なことを始めたくなるものです。
けれど、身体は毎日の生活の積み重ねでできています。
毎日、何を食べているのか。
どのくらい食べているのか。
そして、どのように食べているのか。
私は、こうした当たり前のことを丁寧に見直すことに、大きな意味があると思っています。
着床に向けて、身体に何かを足す前に、まずは身体の負担になっていることがないかを見直してみる。
その入り口として、今日から一口40回噛んでみませんか。
遠回りに見えるかもしれません。
でも、妊娠に向けた身体づくりは、そんな小さな習慣から始められるのです。
千葉市で高齢不妊に特化した不妊専門の鍼灸整体院
美浜鍼生堂(みはましんせいどう)
院長 渡邊
妊娠に向けて身体を整えたい方、移植を控えている方、繰り返す着床不全でお悩みの方へ。
当院では、子宮や卵巣だけでなく、胃腸の状態、姿勢、呼吸、栄養、睡眠など、身体全体を見ながら妊娠に向けた身体づくりをサポートしています。
ご相談は院長直通LINE、またはホームページのお問い合わせフォームからお気軽にどうぞ。
https://mihama-shinseido.com
#妊活 #不妊治療 #着床不全 #体外受精 #胚移植 #着床しやすい身体づくり #食べすぎ #よく噛む #骨盤後傾 #鍼灸 #千葉市美浜区